第四のがん治療法・癌の転移は苦痛に対処する治療で完治を目指す

Doctor

移りゆくがん細胞との闘い

寄生生物のような存在

男性

人間の体は兆単位という膨大な数の細胞から構成されています。それら細胞の1個1個に遺伝子があり、新陳代謝に伴って新しい細胞に同じ遺伝子が受け継がれてるのです。そうやって人は生命を維持しているのですが、いろいろな原因で一部の遺伝子に異常が発生することがあります。がん細胞と呼ばれるその不完全な細胞は、言わば遺伝子の異常によって暴走してしまう細胞なのです。がん細胞は狂ったように増殖しようとします。血流やリンパ液の流れに乗って遠く離れた部分に移動し、その先でも増殖できます。まるで寄生生物のような存在ですが、がんは外から人体に取り付いたのではない点で寄生虫などと異なります。がん治療はこうしたがん細胞の性質をよく理解した上で、転移も想定したさまざまな対策が欠かせません。がん細胞はリンパ節や特定の臓器に加え、脳や骨にも転移します。そうした転移先や範囲、患者さんの体力といった条件によって治療法も変わってきます。転移がんに対する最も効果的な治療法は、原発部位と同じく手術で取り除くことです。どれだけ遠く離れた臓器に転移していても、それが切除可能な1個所にとどまっていれば完治にも希望が持てます。

転移をいち早く知る方法

転移がんの治療に当たっては、まずがん細胞の巣を可能な限り小さくして手術しやすくしています。転移がんを小さくする方法には放射線治療と抗がん剤治療の2種類があります。放射線治療は特定部位の転移がんを縮めるのに適した方法です。抗がん剤は全身に転移するがん細胞をしらみ潰しにする手法ですが、局所療法に使う場合もあります。肝臓の転移がんに対して血管にカテーテルを通し、がん細胞を狙って抗がん剤を注入するような方法もその1つです。こうすることで抗がん剤の副作用を小さくできるため、体力を温存した上での手術も可能になるのです。こうした転移がんは、早く発見すればするほど治療できる可能性が高まります。そのための検査技術も向上が著しく、自覚症状が出ない段階の転移がんでも発見できるようになりました。肺や肝臓・リンパ節への転移は、胸部および腹部CT検査の精度が上がったため早期発見の主力兵器です。脳転移の診断に有効なMRIや骨転移を調べる骨シンチもあります。PET検査は全身の転移がんを発見するための最新兵器となります。こうした検査環境を備えた病院なら、転移がんにも迅速に対応してくれるため治療成績もそれだけ高いのです。